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日本口腔外科学会に参加してきました。

こんにちは。院長の輿です。

先日の日曜日に千葉県幕張メッセにて開催された第67回日本口腔外科学会総会・学術大会に出席してきました。

コロナ禍になってから実に3年ぶりの現地学会参加となりました。

口腔外科出身である一開業医である私にとって最も興味があった内容は「MRONJ ポジションペーパー2022 〜医科歯科連携に基づく的確な予防・診断・治療を目指す〜」というシンポジウムでした。MRONJという聞きなれない言葉ですが、Medication-Related-Osteonecrosis of the Jawの略であり、日本語に訳すと「薬剤関連顎骨壊死」と言います。おもに骨折予防のための骨粗鬆症の治療薬や、一部のがんの治療薬の投与に関連して、顎骨に感染・壊死を生じる病態です。

私のようなクリニックにおいて歯科診療をしていても、骨粗鬆症の治療薬として処方を受けている患者さんを多く診察します。このような患者さんに抜歯といった外科的処置を行うことで稀に顎骨壊死が発症し、難治性の疾患となることがあります。まだ解明されていないことが多く、今回の学会において有識者の先生方が、歯科と医科の垣根を越えて、最新の知見をもとに声明を発表されていました。医科の先生からは、骨粗鬆症治療薬やがん治療薬を処方する立場としてのご意見をうかがえたことは、歯科医として参考になりました。医科の先生からのメッセージに「”医科歯科連携”を充実させて密に連携をとって患者さんのために有益になるようにしていきましょう」と、ありました。

顎骨壊死を生じる可能性のある薬の処方を受けている患者さんと対峙した際は、処方医の先生と密に連絡を取り合って歯科治療を進めていこうと改めて決意いたしました。また、口腔外科の先生からはMRONJの定義・診断基準や抜歯の際に具体的にすべきことや考慮すること、手技上の注意、MRONJを発症させないためにできることなどが述べられていました。これも、日常の診療に落とし込んで、患者さんにとって有益な判断を下していきたいと思いました。

この他にも、インプラント治療や歯周病の外科治療で使用する最新の骨補填材(人工の骨材料)についての講演を聞き、知識を深めることができました。

学会に現地参加したことで、大学病院口腔外科在籍時にお世話になった上司の先生に久々に再会を果たすことができたり、病院歯科で活躍されている先生方の様子を伺い知ることができて収穫のあった週末でした。

来年は大阪で開催されるようです。コロナが今よりさらに落ち着いていて、現地参加が果たせたらと思いました。