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歯周病菌検出装置 オルコア 導入しました
こんにちは。
寒波の影響で寒い日が続きますね。空気も乾燥していて体調管理に十分配慮しながら過ごしていきたいですね。
さて、つい先日当院に新しい機器を導入しました。歯周病菌検出装置の『オルコア』という機械です。ご存じかとは思いますが、歯周病は口腔内に住みつく「歯周病菌」の感染によって発症します。
口腔内には500〜700種類の細菌が住んでいますが、人によって住んでいる細菌が違います。人によっては歯周病を引き起こしたり、重症化をきたしやすい細菌を多く持っていることもあります。
歯周病菌の中でもRed Complexと言われる3菌種は最も危険で、特にピラミッドの頂点に君臨するポルフィロモナス・ジンジバリス菌(通称P.g.菌)がいると歯周病になりやすく、悪化しやすいと言われています。酸素を嫌う性質があり、歯周ポケットの奥深くに生息しています。残念ながら歯ブラシでは取り除くことはできず、歯科医院での歯周病治療で取り除くことが必要になります。


また、このP.g.菌は口の中にとどまらず、歯肉の毛細血管を通して全身へと駆け巡り、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の発症に関わっていたり、糖尿病とは密接に関与していてインシュリンの働きを弱めて糖尿病を悪化させることが分かっています。最近ではアルツハイマー型認知症患者の脳内から菌が検出されていたりと、全身疾患にも大きく関わっています。

そんなP.g.菌が多いと「歯周病が悪化しやすくなる可能性が高い」「全身疾患にかかるリスクが高くなる」といったことが予測されます。また、歯周病は自覚症状が出た時には深刻な状態にまで進行していることが少なくありません。歯周病の進行によって抜歯せざるを得ないことも日常診療で多々目にします。
こういった事態を避ける有効な手段となるのが『P.g.菌検査』です。仮に悪性度の高いP.g.菌が確認されても、その菌の量を減らすためのセルフケアの強化と早期治療によって重症化を防ぐことができます。今は特に症状が気にならない方もP.g.菌測定検査を受けることによって将来の健康リスクに備えることができます。
検査はチェアーで歯間ブラシを使って歯垢を採取し、試薬塗布して検査装置にセットするだけ。45分後に結果をお伝えすることができます。痛みを伴う検査でないので患者さまへの負担も少ないと思えます。
今までは歯科医師や歯科衛生士による手や目によるものであった歯周病検査が、こういった機器を用いて検査をすることで客観的に現状や治療予後のリスク判定に役立てるようになりました。歯周病治療において医院と患者さまとの架け橋としての役割を果たしてくれるものと期待しています。
保険適応外の検査となりますが、興味を持たれた患者さまはスタッフに是非お声かけくださいませ。
